資源プラについて
「廃プラ」という呼び方、おかしくないですか?
長年、世界的にも再生プラスチック業界では、再生プラスチック原料(ペレット)と廃プラスチックの二つに分類されてきました。2000年ぐらいからリサイクル市場は一気に拡大し、かつて廃棄される品質のプラスチックまでも有価物として取り扱いのできる市場となりましたが、同時に品質は置き去りにされ、再生プラスチック原料としてそのまま使える品質感のあるプラスチックや、リサイクル処理機を使って品質を向上させたプラスチックに関しても、有価物にであっても、依然として「廃プラ(廃プラスチック)」と呼ばれてました。よく考えてみると他のリサイクル資源分野は、古紙、鉄スクラップなど「廃棄」と名のつくものはないのです。
第三の再生プラスチック、それが資源プラ
リーマンショック以降、株式会社パナ・ケミカルが始めた「廃プラスチック」という呼び名を変えようという活動に賛同したリサイクル業界のリサイクル業者、廃棄物業者、処理機メーカー、有識者などのトップランナーが2015年にワーキンググループを結成し、検討を重ね、「素材毎の分別、全量再生プラスチック原料の基材として直接利用できる」ような品質の高いプラスチック資源を「資源プラ(資源プラスチック)」と呼び名と基準を作り、再生プラスチック原料(ペレット)と廃プラスチックの間に、第三の再生プラスチック「資源プラ」を再定義しました。
第三の再生プラスチック「資源プラ」を再定義することで、認識が変わり品質の安定した永続的なプラスチックリサイクルの未来へとつながると確信しています。
2枚の写真がともに「廃プラ」と呼ばれている事実
この2枚の写真が両方とも「廃プラスチック」と呼ばれているのをご存知でしょうか? 左写真は「廃棄されるべきプラスチック」ですが、右写真は「資源として有価で取引されているプラスチック」です。 左写真は、適正なリサイクル処理されておらず、市況によって廃棄物になります。しかし、右写真は適正なリサイクル処理がされた資源です。
いままで、この2つは同じように「廃プラ」と呼ばれていました。
2000年から始まった原油の高騰、海外市場の発展、リサイクル処理機、処理方法の発達によりプラスチックリサイクル業界が急激に発展、多くのプラスチックが日本国内だけではなく、世界で取り扱われるグローバルな「資源」となりました。
それと同時に、マーケットの舞台裏で不法投棄や環境汚染、環境問題、国際問題も多く引き起こしてきました。 わたしたちは、その原因の一つを、これらのプラを同一視するような「廃プラスチック」という呼び方にあるのではないかと考えてきました。
この言葉が、リサイクル品質レベルを引き下げているのではないかと。
「廃棄されるプラスチック」と、「リサイクル処理をされたプラスチック」を、区別する。
品質を上げていくことがこれからのプラスチックリサイクルに求められている。
現在、その200万トンのマテリアルリサイクル可能なプラスチックの内、8割以上が海外に輸出されグローバルリサイクル(海外マーケットでリサイクルされ製品化される)される時代になりました。