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​お知らせ・活動報告

【なごやラボだより】プラスチック需要動向の検証

資源プラ協会なごやラボの本堀です。ようやく秋めいてきましたね。

 

さて、資源プラ協会では、月一回の理事会において、プラスチックリサイクルを取り巻く様々な課題について解決策を模索すべく意見交換を行っています。

 

資源プラ協会には、物流、法務、技術といった多様な専門性と深い経験を持つ理事が在籍しておりまして、一つのテーマを多角的な視点で分析できる“強み”があります。

 

また現在も一線で実務を担っているため、最新の情報を得る事も可能です。

 

先月の理事会では、「プラスチック原料の需要動向」がテーマに取り上げられました。

 

日銀の利上げ、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を契機に為替が円高に振れはじめ、日経平均株価も歴史的な乱高下を記録するなど経済環境が急激に荒れ始めました。

 

米国経済の先行きについても不安視する声が出始め、これまでの異常ともいえる米国における景気過熱の“副作用”が出始める恐れがあります。

 

我々としても、この経済情勢の大きな動きをしっかりと見つめ、資源プラの安定な流通を維持するための方針を策定する必要があります。

 

そのためには、会員の皆様に向けて市場の動き(トレンド)をいち早くお伝えし、早めに“次の一手”を講じて頂く必要があります。

 

そこで直近のプラスチック原料に対する需要の動向が俎上に上がったのですが、あまりにも不安要素が多すぎて、先行きの不透明感のみが感じられる内容となりました。

 

この様に情報が錯綜する場合、今一度、原点に立ち返って情報を整理し直す事が有効でありまして、手始めに国内におけるプラスチック原料への需給動向を徹底的に議論しました。

 

我が国の現状を鑑みれば、人口は減少期に突入し、バージン材、再生材を問わずプラスチック原料自体に対するこれまで以上の需要の拡大は期待できません。

 

故に“国内のみ”でプラスチック廃棄物の持続的な資源循環を維持する事はマテリアルバランスの観点から見ても非常に難しく、“海外への輸出”という選択肢を排除する事は現実的に不可能です。

 



 

他方、成形原料として見た場合に「低コスト」で「省資源」、しかも「環境にやさしい」という特徴を有する再生プラスチック原料という存在は、SDGsに代表される環境調和型社会の構築を目的とする様々な取り組みへの積極的な貢献が求められる企業や自治体などの事業体にとっては非常に魅力的であると言えます。

 

つまり、「国内の大幅な需要の拡大は期待できないが、再生プラスチック原料である事を“武器”としてユーザーの理解を得る事で、国内においても一定の需要を喚起する事は期待できる」という事になります。

 

資源プラ協会といいますと、「資源プラの輸出に特化した国際的な資源循環を目指す組織」と思われる方が結構多いのですが、これは“大きな誤解”です。

 

我々の取り組みは日本国内で循環するプラスチックリサイクルの仕組みを決して否定するものではありません。

 

社会や経済の情勢、再生原料に対する需要の動向などを十分に勘案し、「国内での資源循環の輪」と「国際的な資源循環の輪」の適切な住み分けと共存、そして双方の安定で持続的な発展を目指しています。この「住み分け」と「共存」が最も国益に適った形であると確信しているからです。

 

理事会での情報整理の結果は、会員ページや当協会主催のセミナーなどを通じて会員の皆様に提供させて頂きます。

 

不安定化する経済情勢を会員の皆様と乗り切り、プラスチックリサイクルの次のステージに至るため理事一同精進して参りますので、ご支援ご協力の程、お願い申し上げます。

 

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