資源プラ協会なごやラボの本堀です。台風10号の影響で日本列島大混乱ですね。
さて、資源プラ協会では、月一回の理事会において、プラスチックリサイクルを取り巻く様々な課題について解決策を模索すべく意見交換を行っています。
資源プラ協会には、物流、法務、技術といった多様な専門性と深い経験を持つ理事が在籍しておりまして、一つのテーマを多角的な視点で分析できる強みがあります。
また現在も一線で実務を担っているため、最新の情報を得る事も可能です。
先月の理事会では、「シーレーンの重要性」がテーマに取り上げられました。
品質面で優れる資源プラは国内のみならず海外での需要も大きく、バーゼル条約へも適切に対応する事ができるため、我が国の戦略的な輸出資源の一つとしての地位を確立しています。
海外に輸出されるためには、当然船便を利用する事になりますが、この海上物流の安定化こそが資源プラを輸出する際の重要な課題となります。
今も世界中の海を数多の貨物船が行き来して多くの貨物が運搬されている訳なのですが、この海上物流は経済の動向や国際紛争の影響を大きく受けます。
そのため我々資源プラ協会では、物流の現場を熟知した高度な専門性を有する理事を中心に情報の収集を行い、他分野を専門とする理事を交えた理事会において状況の把握に努めています。
現在、世界情勢は流動化し、この影響は物流にも大きく影響しています。
中国の景気減退に伴う物流(輸出入バランス)の変化、ロシアのウクライナ侵攻に伴う黒海軽油の物流の停滞、中東情勢の不安定化(特にイエメンの武装勢力フーシ派による紅海を航行する船舶への攻撃)による海上航路の変更など、物流を取り巻く状況は“風雲急を告げる”状況です。
その様な状況を踏まえ、当協会の理事会においては資源プラ輸出を担う海上物流の課題を整理しました。
島国である我が国は周りを海に囲まれ、海を通じて世界と繋がっている訳でありまして、如何にして海上交通路(シーレーン)を確保する事が通商のみならず防衛上も重要となります。
しかるに我が国から中東、欧州へ向かうシーレーンの途中には、中国が進出している台湾海峡やバシー海峡、今も海賊が出没するマラッカ海峡、イランの影響が強いホルムズ海峡、イエメンの武装勢力フーシ派が跋扈するバブ・エル・マンデム海峡といった“難所”が待ち構えています。
実際、理事会において、フーシ派による航行船舶攻への攻撃の激化により、欧州向けの船便が紅海経由から喜望峰経由に切り替えられる事態が発生しているとの報告も挙げられています。
シーレーンの安定化は、我が国の未来を左右する非常に重要な課題であり、資源プラの物流を考える上でも避ける事ができません。
理事会での情報整理の結果は、会員ページや当協会主催のセミナーなどを通じて会員の皆様に提供させて頂きます。
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