top of page
shigenpla_logomark.png

​お知らせ・活動報告

【なごやラボだより】資源プラ協会は“現場主義”です!

資源プラ協会なごやラボの本堀です。ようやく春めいてきましたね。

 

世界情勢が混沌を極め、経済の先行きも不安を抱える中、我々資源プラ協会は会員の皆様と共にプラスチックリサイクルの持続的な発展を目指して日々活動しています。

 

お蔭さまで当協会には、会員の皆様のみならず、化学メーカーや素材メーカーなどのプラスチックに関わる事業者、行政関係者、学術関係者、教育関係者、他の業界団体などの方々から、ご相談やご意見などの様々なお問い合わせを頂いております。

 

特に当協会の活動内容についてもお問い合わせを頂く事が多いので、今回はそんな活動内容の一つをご紹介させて頂きます。

 

資源プラとは、プラスチック廃棄物の処理物、つまり「再生プラスチック原料の基材」の品質を高め、市場での円滑な流通を促す取り組み(チャレンジ)であります。

 

品質を高めるためには、当然の事ながら、「前処理、中間処理、保管、輸送という一連の流れの中で資源プラが品質面で適切な管理がなされていること」が非常に重要なポイントとなります。

 

しかしながら、排出事業者や中間処理業者の皆様にとって、「資源プラの品質をどの様な形で、どの程度まで管理する必要があるのか?」、「中間処理後の処理物は資源プラとして認められる水準の品質を有しているのか?」という点は非常に把握しにくい部分であるかと思います。

 

そこで、我々資源プラ協会では、会員の皆様からのご依頼に基づき、高い専門性と深い業務経験を有する専門家を現場に派遣し、会員の皆様が“製造”されたプラスチック廃棄物の処理物が、

 

1.品質的に資源プラに該当する水準に至っているのか?

2.当該処理物が、有価取引の対象となる「商品性」を有し、国内のみならず国際的な市場で流通する事が可能であるか?

3.異物の管理は適切に行われ、資源プラの必須要件である「素材の単一化」がなされているか?

4.前処理、中間処理(資源プラ製造)の方法(技術や装置)が技術的に妥当なものであるのか?

5.その処理物が製品として流通するのに相応しい荷姿に加工されているのか?

6.資源プラが保管、流通の過程で適切に管理されているのか?

7.資源プラの製造に伴って発生する環境負荷は適切に管理され、周辺環境を汚染する可能性を排除できているか?

8.作業者が安全かつ衛生的な環境下で前処理や中間処理(資源プラ製造)に従事する事ができるのか?

 

などの点を確認させて頂き、専門的な見地からアドバイスさせて頂いています。

 

また、会員の皆様のご依頼に基づき、現場に赴いて、

 

1.プラスチック廃棄物の資源プラ化の技術的な可能性と資源プラとしての市場流通性の評価

2.資源プラ製造技術の提案

3.効率的な資源プラ製造のための工程改善

4.資源プラ製造環境の改善

5.資源プラの製造から流通までの総合的なシステムの構築

 

等の点についてもご相談にも応じさせて頂いています。

 

下の写真をご覧下さい。これは先日、会員の方からの依頼で、出荷前の資源プラの品質管理状況の調査を行った様子です。

 

プラスチック廃棄物の排出状況(素材構成、排出量、排出量の推移、異物の混入の程度、汚れの程度など)を確認し、資源プラ化の可能性を技術、物流、そして法律上の取り扱い(廃掃法やバーゼル法など)の視点から多角的に検証します。

 



 

その上で、「中間処理後の処理物が資源プラと認められるレベルにあるのか?」という点について、“現場において”高倍率のルーペや携帯型実態顕微鏡などを用いたミクロレベルの観察により異物の混入状況を確認します。

 





 



そして資源プラとして最も重要な「素材の単一性」の確認を簡易識別試験や識別装置を用いた機器分析により確認します。

 



 

資源プラ協会では、現場で素材の識別ができる簡易型の機器分析装置として、株式会社山本製作所製の「ぷらしる/PI―100」を使用しています。

 



 

この装置は近赤外分光法を利用したプラスチックの識別装置で、(1)小型で現場に携帯が可能、(2)誰でも手軽に取り扱いが可能、(3)測定時間が非常に短いなどの特徴を有しているため、現在、国内各地の資源プラ製造の現場で大いに活用されている“スグレモノ”です。

 

当協会が実施している「資源プラ製造装置認定」も取得しており、資源プラの基本要件である「素材の単一性」を確認には欠く事が出来ないツールになっています。

 

なお、現場では十分な情報を得る事ができない「物性劣化の程度」「正体不明の異物や汚れ」については、プラスチック廃棄物や処理物(資源プラ)の一部をサンプリングして、資源プラに関する技術的な基礎研究を担当している「資源プラ協会なごやラボ」へ送り、更に詳細な分析や解析が行われます。

 



 

この様にして現場で得られた様々なデータは、技術、物流、法規制などの多角的な視点から詳細に検討され、報告書が作成されます。

 

そして毎月開催される当協会の意思決定機関である理事会における報告、承認を得て、依頼者(会員)にご報告させて頂いています。

 



 

この報告結果を基に、更なる改善を求められる場合は、当協会から専門家を派遣し、コンサルティングや技術提案などを実施させて頂いています。

 

大切な事は、「現場」です。

 

現場こそが資源プラを生み出す“創造の場”であり、我々が最も重要視している“闘いの場”でもあります。

 

故に資源プラ製造の現場をつぶさに多角的な視点から眺める事で、効率的で持続的な資源プラ製造を可能とする仕組みを構築するためのヒントを得る事が可能となります。

 

我々資源プラ協会は、資源プラ製造の現場を重視する「現場主義」を貫いているのです!

 

今回は資源プラ協会の現場における活動の一端をご紹介させて頂きました。

 



 

Comentarios


bottom of page