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​お知らせ・活動報告

【資源プラ】見通しは正直分かりません・・・。でも生き残るのは「資源プラ」!(会員ページより)

【資源プラ】見通しは正直分かりません・・・。でも生き残るのは「資源プラ」!

新型コロナウイルス「COVID-19」のパンデミックにより世界中が大混乱に陥っています。

外出制限などによる人的接触の抑制策により経済活動は停滞を余儀なくされ、リーマンショックを上回る未曾有の世界的な経済危機の状況にあります。

この経済活動の停滞により、生産・流通が全世界的にストップし、原油をはじめとする化石資源、プラスチック原料などの工業原料の取引が著しく減退しています。

特に先日この会員ページでもお伝えしました様に、マーカー原油の一つであるWTI原油の先物取引価格が史上初めてマイナスに転じた事は全世界に衝撃を与えました。

今後、プラスチック原料についてもこの影響は間違いなく現れてきます。

我々としてはこの難局を如何にして生き残るのかを考えておく必要があります。

結論から申し上げますと、我々のビジネスの形としては、やはり「資源プラ化を推し進める」という選択肢しか残されていないと言えます。


この会員ページでも幾度か取り上げさせていますが、我々は、再生プラスチック原料製造の基材となるプラスチック廃棄物の処理物(前処理、中間処理)の「品質」を向上させる事で、再生プラスチック原料の品質向上や物性の安定化を目指す取り組みを始めました。

これが「資源プラ(資源プラスチック)」という“挑戦”です。

パナ・ケミカルの提唱する「資源プラ」とは、有償取引に供されるプラスチック廃棄物の前処理、中間処理後の処理物に適用される概念であり、取引上、品質面で一定の基準を満たす処理物について「資源プラ(資源プラスチック)」との呼称を付与する事で、市場経済に叶った形での、流通上のインセンティブを付与するものです。

ざっくばらんに言いますと、廃プラスチック処理物の「品質」の基準というものを明確に定め、この基準を満たす品質面で優れる廃プラスチック処理物については、「資源プラ」と呼び習わす事で、ユーザーの皆様に品質面で優れる事をアピールするという取り組みです。

「資源プラ」の概念が社会に広まる事で、排出事業者や処理業者においては、流通性に優れる「資源プラ」を優先的に製造するため、プラスチック廃棄物の前処理や中間処理が適切に行われる事になります。

そして、品質面で優れる「資源プラスチック」が市場に多く流通する事により、品質や機能に優れる再生プラスチック原料が開発・製造され、プラスチック産業全般における再生プラスチック原料の地位が向上する事になります。

これが資源プラプロジェクトの主な狙いです。

資源プラには、従前の廃プラスチックリサイクルと比しても市場の変動にしなやかに順応可能であるという取引上のメリットがあります。

この点をもう少し突っ込んで考えてみましょう。

今回のコロナ禍の様に原油安や需要減退(原料余剰)の市況下では、バージン材の調達がコスト的に有利になるため、再生プラスチック原料よりもバージン材を優先的に調達するユーザーが現れます。

「品質面で劣り、成形条件の厳しい再生プラスチック原料よりも、コスト的に成り立つならば、安価なバージン材を使ってみた方が得だよね」というのは確かに道理です。

この結果、再生プラスチック原料にダブつきが生じ、通常の市況下では再生原料市場で取引されるレベルの廃プラスチックの取引も滞る様になります。

つまり、安価なバージン材が再生プラスチック原料や廃プラスチックを圧迫・駆逐する事態が発生するのです。


特に品質面で劣る廃プラスチックについてはリサイクルの輪から弾き出される事になる訳で、熱回収(サーマルリカバリー)に仕向けられるのはまだマシな方で、最悪の場合、野積放置されたり、ひどい場合には不法投棄されたりしてしまう恐れもあります。

排出事業者や処理業者にとっても、売却できる「商品」から費用を支払って処分しなければならない「廃棄物」へと一気に転落する訳ですから、経済的な負担は相当なものとなります。

この様に市場の急激な変化は排出事業者や処理業者にとって大変大きな“取引上のリスク”となっています。

そのためこの“取引上のリスク”を何とかしてヘッジする必要があります。

一つの手段として我々が提唱しているのが「資源プラ」という取り組みなのです。

資源プラの登場は、プラスチックリサイクル市場に大きな影響を与えます。

資源プラスチックは品質面で優れ、工業原料の基材としてバージン材市場、再生原料市場の双方で流通する事が可能です。

これにより、バージン材市場のユーザーに対しても、「品質面で優れ、コストも安く、おまけに環境に調和している素材」である事を印象づける事が可能となります。

他方、品質面で劣る廃プラについては、再生原料市場から駆逐・淘汰され、その行き場を失う事になります。

取引価格の面でも、資源プラスチックと廃プラスチックの差は今後拡大していくものと思われます。


ハッキリ言ってしまえば、現在も再生原料市場の中で、「資源プラスチック」と「廃プラスチック」の住み分けが着実かつ急速に進んでいるのです。

「品質」をテコにしてプラスチック原料市場における再生プラスチック原料の新たな立ち位置を確立し、円滑な市場取引を促していく事こそが、資源プラ流通の安定化に重要であり、市場の激変にしなやかに対応するための生き残り策であると言えます。


是非、今一度、資源プラという取り組みに注目して頂けますと有難いです。

(本堀)

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